2011/02/17

EWC International Graduate Student Conference Opening Ceremony

たった今、UHにあるEast West Centerで毎年行われるInternational Graduate Student Conferenceの開会式から帰ってきました。

行った動機はAmerica's Asian Anxieties: A View from Washington
っていうTalkがある!聞きに行こう。と思っただけだったのですが、これが実はConferenceのOpening Ceremonyも兼ねたTalkだったようでびっくり。

何がびっくりかってーと、時間になるとどこからともなくハワイアンチャントの声とリズムが聞こえてきたんです。何かな?と思って入り口を見ると、そこにはチャントを唱えるKupunaとそれに続く3人のHawaiian Ladies in Hula dress. これがオープニングセレモニーの始まりでした。


最初の曲は大地と火山の女神ペレに対するMele(Music).
二曲目はルナリオを称える歌
そして最後の曲の説明はこう始まりました



このMeleは、ハワイにヨーロッパの人々が来る前に作られたものです。

今からこの土地に、海から大きな船が何艘も訪ねてくることだろう
すると私たちは自らの小さなボートを漕ぎ客人を訪ね挨拶をする

その時
私たちは決めなくてはならない

この客人たちをこの土地にとどめてもよいだろうか
港を訪れることをゆるしてもよいだろうか

私たちは彼らの船に乗り、共に航海すべきであろうか
それともこの地に留まるべきであろうか

私たちは決めなくてはならない



そして彼らの選んだ道は彼らの船に乗り世界を知ることだった。
世界の広さを知ることだった。

しかしその心のなかにはいつでも「私たちの土地」がある。
長い旅路の果てにいつか帰るべき場所があるのだ。



Kupunaは続ける。
この、沢山の人々が交差する土地で
沢山の人々が互いの理知を共有する場で
私たちの神に敬意を尽くせることに感謝します。

あなたたちは世界の様々な土地から来て
様々な背景を持ち、様々な知恵を持っている。
そして様々な人とであう。

しかし忘れないで欲しい
どの人にも帰るべき場所があり
それはあなたをあなたたらしめているものである。


どうかここで
できるだけのことを学んでいってほしい

ここにいる少しの間
ハワイアンとしてすごすのもよい

しかし忘れないでほしい

それはあなたの戻るべき場所のためであり
それはあなたのためであることを

Aloha kākou (Welcome for all)



その言葉を聴き終えるまでもなく思わず涙が流れました。

初めて見る、指先まで繊細な動きの美しさと、
それ以上に深遠な、彼らの踊りの中にある知恵。
私がハワイに来た意味って、これだなあーとしっとり心に染みたんです。


語学がまだまだついていけないフラストレーション、自己管理のプレッシャー、制限、不安、天邪鬼

アメリカ内部の複雑さや対立、資本主義、システム、その他諸々から目をそらすこともできず、
取り込まれるしかないながらも、完全に流れに身をまかせることもできず

ハワイの人々やその状況、問題や考え方を理解しようとして
またハワイのオキナワンの人々について理解しようとして
それでも安全な第三者である自分の立場に安穏としていることに気づきながらもどうもできず

遠く沖縄のことを思っては
それでもなお追いつけないものの多さに愕然として

わざわざここにいる意味とはなんぞやと思っていた矢先、

ハワイにきて学んだものの多さに気付かされました。
見えてきたものも、つかめない焦燥感も、無知の知なんですよね。
自分がここで「知った!」と感じていることは、これまでに存在すら気づいていなかったものであり、
それ以外のものに関しては、「自分が何を知らないか」を気付かされているものだと思います。

逆に、「ここで学ぶ」ことはここに「染まる」ことじゃない。
私には私のバックグラウンドがあるし、何と、誰と接してどんな化学反応がおこるかわかったもんじゃない。
ここまでやらなきゃ、とか、ここまでできなきゃ、とか責任や義務を感じるものではないんですよね。

私の旅は私に大切な物を選びとる旅なんですね。
その価値判断は他の人がそれぞれその人にとってどうかを決めていくだけだと思います。
双方にとっての価値が合致したらそれは共有になるんじゃないかと思います。

まずは今日のKupunaの知識に感謝します。
私もまずこう書き残すことから始めてみます。


*International Graduate Student Conference 自体もすごく面白そうなのでUH行ける方はリンクをクリックしてプログラムをみてみてください:)